USBが曲がって破損する場所
以下にデータ取り出しの実例を紹介しています
USBメモリが曲がった場合に発生する不具合はコネクタ部分の端子(導電端子)の半田の外れが最も多い症状ですが、それだけの場合はラッキーと言えます
実は同時に他の部位もしばしば異常が発生します
◇ 端子の付け根のパターン断線
◇ 端子の付け根のパターン剥離
◇ コネクタ内部の断線
◇ 微小チップの半田の外れ
◇ 微小チップの割れ破損
◇ コントローラの半田の外れ
◇ コントローラの端子の断線
◇ コントローラの外れ
◇ コントローラの電気的な破損
◇ メモリの破損
曲がっただけでこんなに多くの症状が同時に発生しています
端子の半田付けだけで完了できたらラッキー、と感じる理由がお分かり頂けたでしょうか?
それでは順を追って紹介します
端子の半田外れ
コネクタの端子の外れ画像
曲がり破損で最も多い症状!
何らかの衝撃によってコネクタ部分が曲がった依頼品の大半でこの症状が発生しています
理由→ コネクタと本体基板の固定方法が弱い!
ほぼすべての製品に共通した構造です
この箇所を頑丈に固定するとどうなるか?
かなり強い衝撃を受けた場合にUSBではなく、パソコンの差し込み口が壊れるかもしれません
一見弱そうに思える固定方法も利点があるようです
曲がりやすい構造も良し悪し?
どのように修理するか?
運よくこの端子の半田付けが外れただけでしたら、この箇所を半田付けすれば完了です
端子の本数はUSB2タイプのものは4本、USB3タイプのものは9本あります。写真の例はUSB2タイプですので端子の本数は4本です。
正しく半田処理できればデータの取り出しはほぼ成功します。
以上で認識しない場合
作業中止 深追いしないで!
以上の処置で認識されない場合は中止してください
他の箇所で発生した症状は以降でも例をあげていますが高度な作業で、大切なデータを破損しかねません
回路パターンの断線
回路パターンの断線画像
端子が外れて一緒に断線する
回路パターンは基板に張り巡らされた非常に細い配線のことです。端子の箇所にもこの回路パターンが接続されています。
強い衝撃を受けた時に端子との接続部分が断線します
この症状も非常に多く発生しています
下の拡大写真で赤い矢印で示した箇所です
回路パターンの断線画像(拡大)
拡大写真の例では回路パターンがコネクタの陰に入っています。このような場合は断線箇所の半田付けが困難です
作業方法→ コネクタを取り外す!
コネクタを外さずにジャンパー線で応急処置することもできますが、確実性のためにコネクタを取り外して配線を確認します
そして、各端子とデータ取り出し用のコネクタに接続しなおしてパソコンからデータを取り出します
コネクタの取り外しは難しい
○ 端子の信号線を間違えないこと
○ 端子間でショートさせないこと
○ 熱を加えすぎて焼損させないこと
○ 半田を他の部位に垂らさないこと
回路パターンの剥離
写真の矢印の箇所で剥離
衝撃のかかり方によってこのように回路パターが剥離することがあります。
基板の表面に細く張り巡らされた細い回路が剥がれてしまう症状で、端子が外れた時にこの回路パターンも同時に剥離することがあります。
回路パターンの半田付けは困難なためジャンパー線で仮処置します。
差込口の断線
写真の矢印の箇所で断線
赤く囲んだコネクタの部分で全ての導電端子が曲がって断線しています。
このような症状はUSBメモリをパソコンに取り付けている状態で上下方向に非常に強い力がかかった場合に発生します。
特徴は大きく曲がっているにも関わらず破損の影響が広がっていないことです。瞬時に破損しているため、この部分の破損だけに留まっています。
データの取り出しは高い確率で成功しますが、コネクタを取り外さなければならないことがあり、そうなると作業が長引きます。
この例のようにUSB3タイプの場合は端子が9本あるため、信号線がショートしたり、接続を間違えないように注意が必要です。
曲げ戻して直らない理由
一度曲がったUSBメモリは曲げ戻しても直りません曲げ戻し厳禁!
コネクタが曲がった場合の損傷は次の通りです。
各々について説明します
1.端子の半田の外れ
写真は端子が外れた実際の症状です
USBタイプ3ですので9本の端子があります
下から1、2、3、5、7、8番の端子が外れています
見て想像できるように曲げ戻して付くとは思えませんね?
無理な曲げ戻し→ 基板が割れる
端子の半田の外れ→ 成功率が高い
2.端子の付け根のパターン断線
断線の拡大写真から分かるように、基板に張り付いた細い回路が切断されています
コネクタを曲げ戻してもこの部分は全く変化しません
曲げ戻し→ 切れた箇所は付かない
パターン断線→ 成功率が高い
3.端子の付け根のパターン剥離
回路パターンが剥離した拡大写真です
赤枠の中の4箇所が端子の接続部分です
下から3箇所はパターンが剥離して無くなっています
このようになると曲げ戻しても付きません
どのように作業するか?
半田付けに自信がなければ作業をやめてください
写真からも分かるように、既に回路パターンが大きく破損しています
この箇所を顕微鏡を使わずに家電店で買った半田ゴテ、半田で作業すると煙がでて焼けます!
事実、このようになった依頼品が寄せられ、半田で方々がショートしていたり、焼損しています
熱、焼損に注意!
パターン剥離→ 成功率が高い
4.コネクタ内部の断線
コネクタ(差し込み口)の中間付近で大きく曲がり、内部の導線が断線しています
一般的に全ての導線が断線しています
コネクタ内部の断線→ 高い成功率
5.微小チップの半田の外れ
微小チップを付け直します
6.微小チップの割れ破損
微小チップを交換します
規格値の間違いに注意!
抵抗値を間違えると焼損します
7.コントローラの半田の外れ
端子付きのコントローラの場合は端子間でショートしないように!
端子のない接触型の場合は作業をやめてください。難易度が高すぎます
8.コントローラの端子の断線
コントローラの半田補修をします
9.コントローラの外れ
考えにくいですが、コントローラが取れてしまったものも発生しています
半田付けが良くなかったのか、半田付けしなおせば完了です
端子のない接触型の場合は作業をやめてください。難易度が高すぎます
10.コントローラの電気的な破損
コントローラの破損もまれに発生しています
原因は使用中に衝撃を受けたときの異常な電気変動で発生しているようです
コントローラの破損の場合はこのチップを交換します
通常は48本の端子が付いた4ミリ角位のチップが使われていますが、64本のものや、長方形、丸くタール状で固めた製品も見受けられます
また、近年は端子の無い接点だけで基板に半田付けされている製品が増えてきています
コントローラ破損→ 成功率が高い
特殊なコントローラ→ 成功率が低い
11.メモリの破損
メモリの破損も時々発生しています
考えられる原因は使用中に衝撃を受けて異常な電気変動で発生するようです
特にメモリが2枚装着された製品で見受けられます
メモリ破損→ データ取り出し不可!
メモリが破損した場合は残念ですがデータを取り出せません
USBのり破損の事例
以下に曲がったUSBメモリの依頼の例を紹介します
依頼品は外見は僅かしか曲がっていないように見えますが、このような場合でもパソコンから認識されなくなることがあります。
この依頼品はコネクタの端子と基板の半田付け部分の回路パターンが断線していました
断線箇所はコネクタの見えにくい陰に入り込んでいたため、コネクタを取り外しての長時間作業となりました
コネクタの取り外しは専門の私達でも時間がかかります
このような箇所での断線は曲げ戻した場合に発生しているようです。
この依頼品の作業の流れは次の手順です
1.外観を見て考えられる内部の症状を推測する。
一度でも曲がったと判断した場合はパソコンに取り付けての確認はしません。
パソコンに取り付けて試すことにより接触不良の箇所での不自然な電気によるデータの破損やその他への破損の波及を防ぐためです
2.ケースを注意深く開封します
この製品はBuffaloのノック式ですのでコネクタの反対方向に引っ張り出します
注意すべきことは、コネクタ部分の曲がり角が大きい場合は引っ張りの方法はやめてケースを専用器具で焼切ります
3.顕微鏡で破損箇所を探します
4.この依頼品は回路パターンの剥離が確認されたため、念のために測定器で導通を確認します
5.回路パターンがコネクタの下に隠れて作業しずらかったため、コネクタを取り外しました。とても時間がかかる作業です
6.リード線で専用のコネクタと基板を繋ぎます
ここで注意が必要なのは、パターンが非常に細い(毛髪の太さ位です)ため、顕微鏡で確認しながらパターンが焼けないようにします
くれぐれも高温の半田ゴテを使わず、短時間で行います
7.無事にパソコンから認識されたらデータを取り出します
ほっとする瞬間です。これで認識されないと精神的ショックが大きいです
8.保存用のUSBメモリにデータを入れて完了、発送の準備となります
お客様に完了のメールを送ってひと休みのお茶となります
弊社の軽度物理障害で代金は8000円でした
依頼品は僅かに曲がり、反対側のケースが少し開いています。
このようにケースが開いているにもかかわらず、曲がりが目立たないということは、曲げ戻したために症状が小さく見えているようです
一般的にケースはどのメーカー製も簡単に開く構造になっていません。したがって、相当に強い衝撃がかかったと思われます
例えば、端子の半田付外れ、微小チップの外れ、回路パターンの半田剥離などが予想されます
結果は強い衝撃がかかったことによるコントローラの端子(48箇所)の基板との半田付けが複数個所外れていました
この基板のコントローラは端子の無い接触方式で基板に半田付けされるタイプでした。このような半田付け方式の場合は複数個所で半田付けが外れるのが特徴です
弊社の軽度物理障害で代金は8000円でした
この依頼品は金属端子の部分が大きく曲がった例です。
この例のようにコネクタが大きく曲がる原因は、パソコンにUSBメモリをつけた状態でパソコン本体ごと落下させた場合です
このよう破損した場合はコネクタと内部の基板の接続部が大きく破損していたり、基板の破損程度も大きくなっています。
コネクタの外れ、回路パターンの剥離断線、微小チップの割れ、コントローラの端子折れなどが生じていることがあります
破損個所が複数あることが一般的で、作業はとても困難です。
この依頼品の破損原因は強い力がかかったことによるコネクタ部分の半田外れと回路パターンの複数個所の断線でした
弊社の軽度物理障害で代金は8000円でした
通常は縦方向に曲がったものが多く依頼されますが、このように横の方向に曲がった依頼品が届くことがあります
原因はパソコンにUSBメモリを取り付けた状態で足があたったり、パソコンを持ち運ぶときに壁などに当てた場合です。
このように曲がった破損の場合はUSBメモリの破損状況が縦方向に曲がった場合に比べて広範囲に破損しています
このような症状の作業は簡単な場合と、そうではなく困難なことがあります。コネクタ部分の破損以外にショートによってヒューズが切れたり、コントローラが電気的に破損していることがあります
作業に要する時間も長くなります。時には破損個所の特定のために測定器で電気信号を確認しながらの作業になることがあります
この依頼品の破損原因は強い力がかかったことによるコネクタ周囲の複数個所の半田外れと回路パターンの断線でした
弊社の軽度物理障害で代金は8000円でした
依頼品はコネクタが曲がってパソコンから認識されなくなったとのことでした
送付された封筒からUSBメモリを取り出すと大きく曲がっていました。この依頼品のようにコネクタが大きく曲がる原因は、パソコンにUSBメモリをつけたままパソコン本体ごと落下させた場合です
このように大きく曲がった場合は破損場所が多方面に広がっていて、作業はとても困難になることが一般的です。
コントローラの交換になったり、メモリが破損していてデータをとりだせないことがあります。
この依頼品の破損原因は強い力がかかったことによるコネクタの端子の取れと回路パターンの断線でした
弊社の軽度物理障害で代金は8000円でした
成功率は80パーセント位です
不成功になる原因はコントローラが汎用品でない場合、およびメモリが破損している場合です
金属のコネクタが少し潰れて曲がっている
コントローラが基板から取れている
コネクタが少し潰れて変形しているためパソコンに取り付けられません。また、コネクタの端子の部分で半田が外れています
この依頼品のコントローラは端子が無いタイプのため難易度の高い作業になります。
まず、コントローラの半田をきれいに取り除き、次にコントローラが付いていた場所の半田もきれいに取り除きます。
次にコントローラを付ける周辺の微小部品を一時的に取り外して作業しやすくします。それからコントローラを半田付けしますが、端子が無いため基板への半田付けに注意しなければなりません
コントローラの半田をつける箇所は5ミリ角の微小部分に48箇所あり、この全てを半田付けします。最も難易度の高い作業です
最後にデータ取り出し用のコネクタを取り付けてパソコンに取り付けます。無事にパソコンから認識されるとデータの取り出しを行います。
以上で作業完了です。作業時間はおよそ30分です
この依頼品の破損原因は強い力がかかったことによるコントローラの外れです
依頼品は重度破損で、代金は12000円ですが、10000円にしました。お客様から大変感謝されました
このような破損の成功率は90パーセント以上です
コネクタがもぎ取れている
依頼品のUSBメモリのコネクタが曲がっているだけのように見えていますが、ケースから内部を取り出すと実際にはコネクタは基板から外れて取れていました。
おそらく依頼者様が自分で中に入れて送ったのだと思われます。このように曲がっただけのように見えてコネクタが取れてしまっている破損品は多く発生しています
この依頼品はコネクタ部分の端子への半田付けによる補修と微小チップの半田剥離を修正することによりデータを取り出せました
作業時間はケースの開封に30分くらいかかったため、全体で40分位かかりました
この依頼品の破損原因は力がかかったことによるコネクタ部分の端子の外れと微小部品の半田外れです
弊社の軽度物理障害で代金は8000円でした
このような破損の成功率は90パーセント以上です
コネクタが曲がっている
SONY製の4ギカのUSBメモリのコネクタが曲がってしまったとの依頼品です。このような場合、殆どがコネクタ部分の端子の半田の外れです。
しかし、この依頼品は導電端子を補修してパソコンから認識されるようになりましたがフォルダの名前とファイルの名前が化けて開きませんでした。
仮り補修後に復旧ソフトで復旧しました。このような症状は接触不良のまま使い続けることによる電気的なショックで発生します
全体で1時間位かかりました
弊社の軽度物理障害で代金は8000円でした
このような破損の成功率は90パーセント以上です
コネクタが横に大きく曲がっている
コネクタの付け根が横方向に大きく曲がっています。かなりの力がかかったようで、このように大きく曲がった場合、基板が割れていることがあります。
この依頼品はコネクタの固定部分の一方がもぎ取れていて、端子の半田も全て外れていました。さらに、回路パターンの数か所の断線、コントローラの端子の半田付けもほとんどが剥離していました。
これだけひどく破損している場合はコントローラやメモリも電気的に破損していることがあります
およそ1時間位の時間をかけて完了しましたが、実際の作業は一か所治してはまた一か所という具合に次々と破損個所が現れて、本当に治るのだろうかと疑問になっていました
成功してほっとしながら暫くラジオの音楽で休憩、このような症状のものを修理成功するととても満足感に浸ります
弊社の軽度物理障害で代金は8000円でした
このような破損の成功率は90パーセント以上です
コネクタが横に大きく曲がって端子が外れている
コネクタの付け根が横方向に大きく曲がって端子が外れているのがわかります。ケースからコネクタの付け根の外れているのが見えていました。
端子が断線しているいることから相当に強い力がかかったことが予想されます。
専用のリード線をつないでパソコンに繋ぎましたが予想通り認識されませんでした。このような症状の場合はそんなに簡単には修理できません。
顕微鏡と測定器で調査していくことおよそ10分、ヒューズの断線とコントローラの断線が見つかり、半田付け処置することによって無事にデータを取り出せました
およそ50分位で完了しました
このような破損でも弊社では軽度物理障害としています(他社では中度、または重度の扱いでしょうか?)
弊社の軽度物理障害で代金は8000円でした
このような破損の成功率は90パーセント以上です
コネクタが横にほんのわずか曲がっている
コネクタがUSBメモリの本体からほんの僅かに曲がっていますが、この程度でパソコンから認識されなくなるのか疑問に感じました。
ケースから内部を取り出してみましたが、端子をみるかぎり半田付けの異常がみられません。顕微鏡で確認するも異常がありません
抵抗測定器で測定するも値は正常でした。実際に通電して信号チェックを行うとヒューズの出力が不安定でした
ヒューズ交換することにより無事に認識されました。コネクタの曲がりによるこのような異常は時々ありますが、関連性は不明です
およそ30分位で完了しました
このように破損しているようにみえなくてもパソコンから認識されない依頼品がよく見受けられます
弊社の軽度物理障害で代金は8000円でした
このような破損の成功率は90パーセント以上です
コネクタがほんのわずか曲がっている
コネクタが少し曲がっているかも知れないとの依頼でパソコンから認識されないものです。
届いた封筒からUSBメモリを取り出すと僅かにコネクタが曲がっていました。ケースから内部を取り出してみると曲がってはいるが端子の半田付けの異常はみられません。
顕微鏡で確認するも異常がありません。測定器で確認していくとコントローラに信号の異常がありました。顕微鏡で拡大して確認するとおよそ5、6箇所で半田剥離がありました。
半田付けの補強を行うことによりパソコンから認識されるようになりました。コネクタに力がかかってコントローラの半田が剥離したようです
およそ40分位の作業でした
弊社の軽度物理障害で代金は8000円でした
このような破損の成功率は90パーセント以上です
金属コネクタが曲がっている
ケースの外観からは金属コネクタが曲がっているだけのように見えたが、ケースから内部を取り出してみるとコネクタの固定部分が折れていて、更に導電端子4本が全て外れていました
この分では基板の他の箇所も破損しているのではと思いつつ先ずはデータ取り出し用のリード線をつないで顕微鏡で確認、すると端子が接続されていた箇所のパターンも剥離していました
パターン剥離の箇所を半田付け補修してパソコンに接続すると残念ながら認識されません。続いて抵抗測定を行ったところ僅かに電圧値が小さいため電源抵抗を交換、すんなり認識されるようになりました。
このように破損の度合いが大きい場合、電源系統も異常になることがあります
金属コネクタ自身が曲がるような事例はほとんどなく、珍しい症状です
およそ50分位の作業でした
弊社の軽度物理障害で代金は8000円でした
このような破損の成功率は90パーセント以上です
金属コネクタが曲がっている
平面(裏表)
ELECOMの回転式ケース付きUSBメモリの金属部分がわずかに曲がっています。この程度の曲がりで本当に内部が異常になっているかと思われる状況です
ケースから内部を取り出したものが下の写真です。左の写真には四角のチップが見えますが、右の写真(裏側)には何も付いていません
このようなUSBメモリは一体型で、マイクロSDと同じ方式です。一体型のチップ以外は何もないため、このチップが破損しているとデータは取り出せません
今回のこのUSBメモリは幸いにも端子の部分が半田外れしていただけでした
このような一体型のチップのついたものが時々依頼されます。きっとコストダウンの効果があると思われます
およそ30分位の作業でした
弊社の軽度物理障害で代金は8000円でした
このような破損の成功率は50パーセント以上です。コネクタ部分の破損でなければ復旧不可になります
金属コネクタが曲がっている
Verbatim製のUSBメモリが少し曲がっています。パソコンに差し込んでみましたが反応しません。
曲がったとのことで依頼される最も多い例です。手が触れたなどで曲がるようです
このような曲がり方をした場合、多くの方が曲げ戻してパソコンに差し込んで認識させようと試しているようです。その気持ちは分かりますがやってはいけないことです。
この依頼品がその代表てきな症状です
ケースから内部を取り出したものが下の写真です。コネクタの付け根の回路パターンが剥離して作業しずらいためコネクタを取り外しています
赤いワクで囲んだ小さな粒のようなものは微小抵抗です
この依頼品は曲がったUSBをパソコンに差し込んだ状態で何度も曲げ戻したため異常電流となって抵抗値が変わってしまいました
このUSBメモリが認識しないことについて調査した結果、電源の電圧異常が見られ、この微小抵抗が破損していることが判明しました
下の写真は微小抵抗を拡大したものです
実際の大きさはゴマ粒ほどもありません。いつも思うことですが、このように小さな部品をどのようにして作って、どのように基板に取り付けているのか是非見たいです
おそらく、ロボットのような機械でつまんで位置決めして半田付けして、気が遠くなりそうです
無事に成功してほっとしました
およそ30分位の作業でした
弊社の軽度物理障害で代金は8000円でした
このような破損の成功率は90パーセント以上です。
山梨県からの依頼です
ELECOM製のUSBメモリをパソコンに差しているときに腕が当たってパソコンから認識されなくなったため、曲げ戻したら認識されるようになり、暫くは使えていたとのことでした。
その後、時々認識されなくなり、しまいには全く認識されなくなったとのことです。この依頼品は曲げ戻しを行ってはならない典型的な例です
(1)の写真は曲がった状態を横方向から撮影しています。明らかに曲がっていることが分かります
(2)の写真は平面から撮影しています。この角度からは曲がっているのが分かりづらくなっています
(3)の写真はケースから内部の基板を取り出した状態です
(3)の写真の赤い枠で囲っている部分は、コネクタに強い力がかかるとこの部分の端子の半田が外れて浮き上がります。この曲がった状態ではパソコンから認識されません
そこで、曲げ戻しをすると一旦は外れた端子が付くことがあります。ただし、この状態は非常に微妙で、かすかに接触しているだけです。
一旦外れた半田は元には戻りません。とても不自然な状態で、このまま使うと接触不良を起こして不自然な電流が流れ、コンサローラやメモリの破損、データの破損の原因になります
この依頼品は運よく破損はしなかったものの、9本ある端子が完全に外れてしまっていました
信号線が接触不良になった場合は大した破損にはなりにくいですが、電源用りの端子が接触不良になると致命的な破損を引き起こします
(1)側面写真
(2)平面写真
(3)内部写真
およそ30分位の作業でした
軽度物理障害で代金は8000円でした
このような破損の成功率は90パーセント以上です。
東京都内からの依頼です
この依頼品は普段送ってくる症状とは少し状況が違います
一般的にコネクタが曲がって依頼されるものはコネクタの端子が断線したり、半田が外れたりしています
この依頼品はコネクタはしっかり付いていて、半田の外れはありませんでした。このような症状のものが時々送られてきます
(1)の写真は横方向から撮影しています。曲がっているように見えません
(2)の写真はケースから基板を取り出したものです。赤く囲んだ部分は半田剥がれを起こしています。(3)はその箇所を拡大したものです
(3)の写真の赤く囲んだ抵抗チップの半田が外れてこの導通が無くなっていました。この部品は大きいためこのように半田が外れたり、割れることがあります
また、今回の特徴は大きい赤ワクで示したコントローラの端子が複数個所外れていました
コントローラは5ミリ角位のチップに48本の端子で半田付けされるものと、接点で基板に半田付けされているタイプのものがあります
この製品は接点で基板に半田付けされているタイプで非常に細かな作業になります。かなりの経験がなければできない作業です
以上、今回の依頼品の破損の原因はコネコタはほとんど曲がっていないが、強い力がかかったことによる内部の半田外れが生じたものです
(1)側面写真
(2)内部写真
(3)破損箇所の拡大
およそ40分位の作業でした
軽度物理障害で代金は8000円でした
このような破損の成功率は90パーセント以上です。
広島県内からの依頼です
USBメモリをパソコンに差し込んだまま持ち運んでぶつけたとのことです
曲がり具合からかなりの力が加わったことが想像されます。このような場合、内部の壊れ方も大きいことがよくあります
USB2.0の商品のためコネクタの端子は4本ですが、すべて外れていました
顕微鏡で確認、この状態では半田付け処置は困難と判断してコネクタを取り外して、別のコネクタに繋ぎなおしてパソコンに取り付けてみると認識されませんでした
コントローラ部分の半田付け剥離が見つかり半田付け処置を施して作業完了です。これだけ症状が大きくてデータの取り出しが完了するとやはり達成感を感じます
およそ40分位の作業でした
軽度物理障害で代金は8000円でした
このような破損の成功率は90パーセント以上です。
(1)開封写真
(2)内部写真
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